ブックタイトル会報2020年8月
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会報2020年8月
第206号 令和2年8月発行 Page 1臨床糖尿病支援ネットワーク[当法人評議員]公立昭和病院本田 一春 [薬剤師]薬局・病院薬剤師の連携について“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANO a MANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題 平均血糖値と乖離してHbA1cが高くなる時はどれか、1つ選べ。 (答えは3ページにあります。)1.急激に発症・憎悪した糖尿病2.鉄欠乏性貧血(非回復期)3.輸血後4.透析5.肝硬変新型コロナウイルス感染症の対応により会員の先生方は、日々ご苦労されていることと思います。私の所属している公立昭和病院も479床の一般病床と6床の感染症病床を有する第二種感染症指定医療機関であり、2月から新型コロナウイルス感染症対応に追われています。しかし外来患者は3月と4月は30%程度減少し、とくに初診紹介患者が通常の50%前後にも減少しました。当然のことながら病院収益は減少し現在に至っております。今回は、新型コロナ感染症拡大を踏まえて、今年度改定された薬剤師にかかわる診療報酬について考えてみたいと思います。今回の改定の基本的視点と具体的方向性は以下の4項目でした。(1)医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進(2)患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現(3)医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進(4)効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上1番目の医師等の働き方改革に関しては、タスク・シェアリングやチーム医療が重視されています。糖尿病診療領域では様々な職種とチームを組み病院薬剤師も、調剤薬局の先生方も活動しています。今回の改定の大きなところは、2、3、4番目の中で医科、調剤の診療報酬改定の中に医師・院内薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組による医薬品の適正使用の推進として、連携の評価(診療報酬)が新規に多くの項目がつきました。病院薬剤師と薬局薬剤師との連携は今まで様々な活動をしたり、一緒に勉強会を行ったりしてまいりました。しかし連携をしてもそれに対する診療報酬は余りありませんでした。主なものは、薬剤の重複投薬等を確認、がん患者の服薬指導、吸入指導、インスリン等の糖尿病治療薬の、調剤後の服薬指導などです。いずれも診療報酬が得られるのはその結果を医療機関に情報提供した場合となっています。冒頭に書きましたとおり新型コロナウイルス感染拡大に伴い、患者さんの来院機会が減り、特例的ではありますが電話・情報通信機器を用いたオンライン診療や医薬品処方が行われるようになり、また集まって意見交換をする勉強会の機会も減りました。今後は、医師・院内薬剤師と薬局薬剤師の連携も新しい変化が求められています。製薬会社とオンラインでの情報収集、オンラインでの勉強会、電話での服薬指導など、感染が拡大する前は想定していなかった状況となっています。厚生労働省は2022年夏をめどに電子処方箋システムの運用を開始する方針と発表がありました。厚生労働省は処方箋をオンラインで管理できるようにデジタル化を推進し、薬の重複投与の防止につながるほか、オンラインでの服薬指導も円滑になると考えています。今回の診療報酬改定に伴う医師・院内薬剤師と薬局薬剤師の協働の取組についてまだ始まったばかりですが、あと2年後にこれらの連携もまた大きく変わらなければと考えて準備を進めたいと考えています。