ブックタイトル会報2021年1月

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会報2021年1月

Page 4 第211号 令和3年1月発行臨床糖尿病支援ネットワーク症例14糖尿病専門クリニックの初診患者に多い臨床背景であり、健診歴に乏しい場合は当日糖尿病連携手帳と糖尿病眼手帳を発行してまずは眼科受診を勧め、1週間後に再診して頂きSCPRと抗GAD抗体を含めた検査結果と眼科所見を参考に治療方針を決めております。本例の背景の場合に、HbA1cの高さに驚いてあわてて薬物療法を始めないことが重要です。症例15本例は40歳ですが、これが70~80歳代で見つかったSPIDDMの場合は治療方針に悩むことが少なくありません。まずは血清Cペプチドを測定して、残存するインスリン分泌能をチェックし、残っていればインスリン分泌非促進系の薬剤の見直しでしばらくフォローし、HbA1cが改善しなければ血糖依存性インスリン分泌促進系【DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬】を追加し、それでも改善がなければ持効型溶解インスリンの併用を少量から始めています。<併存症を持つ患者における治療>ガイドの文章だけでも十分で特に付け加えることの必要ない症例ばかりですが、症例23のみ、一言言及させて頂きます。症例23肝硬変のため改善させにくい食後高血糖を無理な薬剤増量で下げようとすれば、糖新生能力が落ちているため低血糖が遷延しやすく注意が必要です。血糖コントロール指標ではHbA1c が低め、GAが高めになり、肝硬変が重症であるほどGA/ HbA1c比は高値になり、予後予測の指標にもなります。<特殊な状況における対応>いずれの症例も、ガイドの文章だけで十分で、特に付け加えることはありません。以上、最初の2つのジャンルの症例における特に薬剤選択のコツを中心に、筆者が日常診療で心掛けていることを記載させて頂きました。運動療法については誌面の制約上触れることができませんが、本誌第205号(令和2年7月発行)1頁の17~24行目に私案を載せていますので参考にして頂ければ幸いです。答え 4,5 下記の解説をよく読みましょう。 (問題は1ページにあります。)解説4.自己血糖測定器の中にはヘマトクリット値の影響を受けるものがある。貧血などのヘマトクリット低値の場合は高めに(偽高値)、多血症などのヘマトクリット高値の場合は低めに(偽低値)血糖値が測定されるため注意が必要である。5.連続グルコースモニタリング(continuous glucose monitoring : CGM)は皮下にセンサーを留置し、5分ごとに皮下間質液中グルコース濃度測定し血糖値を推定するシステムであり、直接血糖値を測定しているわけではない。よって、自己血糖測定値で較正を行いながら通常3~6日間の記録をする。読んで単位を獲得しよう