ブックタイトル会報2021年5月
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会報2021年5月
第215号令和3年5月発行Page 3第55回糖尿病学の進歩令和3年3月5日(金)~6日(土)Web開催[当法人理事]杏林大学医学部付属病院小林庸子[薬剤師]以下の発表を報告する。セッション名:特別企画2チームによる糖尿病診療:現場からの提言演題名:「薬剤師の立場から:糖尿病診療への薬剤師の関与」約20年前に糖尿病チームが発足し、薬剤師がチームの一員として活動している。病棟および外来での薬剤師の糖尿病診療への関与について報告する。1.糖尿病療養指導外来「血糖自己測定の針と試験紙を1か所で渡す」ことを目的とし、糖尿病内科の医師の診察室の並びに開設した「糖尿病療養指導士」の外来では、開設当初より薬剤師も担当となった。「糖尿病透析予防指導管理料」は、薬剤師の指導は算定可能な職種ではないが、看護師が同席し、腎機能を考慮した薬剤の問題点の抽出や服薬に関する指導を行っている。また、産科で妊娠糖尿病と診断された場合や、糖尿病合併妊娠の症例に対しては、「GDM導入シート」に基づき、その時々に必要な内容で指導する。2.糖尿病教室糖尿病の治療と教育を目的とした「教育入院」は、多職種が2週間のカリキュラムで講義を担当している。薬剤師は「薬物療法」の講義を担当し、様々な病態の参加者に共通する、内服薬や注射薬の豆知識や、災害対策やイベント時に必要な薬剤の管理などについて説明している。3.病棟業務病院薬剤師の主な業務は、「薬剤管理指導業務」と「病棟薬剤業務」である。現在は、各病棟に薬剤師の配置が必須となったため、産科病棟の担当となった。約12%はGDMと言われるが、産科病棟では、常に4~5名のインスリン使用症例が入院している。切迫早産などの長期入院症例へのインスリン導入する頻度は、内科病棟担当だった頃よりもかなり多い印象である。4.チームカンファレンス「糖尿病透析予防カンファレンス」は、カンファレンスの開催が算定要件となっている。医師・看護師・管理栄養士・臨床検査技師・理学療法士・薬剤師が参加し、次の外来に繋がるように検討している。また、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠の症例の情報を共有する目的で、「産科・糖尿病内科連携会議」が毎月開催され、糖尿病内科医師・産科医師・看護師・助産師・管理栄養士・薬剤師が参加している。妊婦の精神的なケアを含めた対応が可能となっていると考える。読んで単位を獲得しよう答え4下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説回答:4 HbA1cは平均血糖値を反映するため、血糖値の揺れ幅はわかりません。1.空腹時血糖とは10時間以上絶食した後の血糖値です。2.インスリン療法中の自己インスリン分泌能はC-ペプチドで見るほうが良いでしょう。3.血糖値が上昇すると1.5AGの再吸収が追い付かなくなり血中濃度は低下してゆきます。1.5AG血中濃度の低下は血糖値180mg/dl以上の存在が考えられます。4.〇5.HbA1cはヘモグロビンのターンオーバー(寿命)に左右されるので鉄欠乏性貧血回復期には低めに出ることが多いようです。未治療の鉄欠乏性貧血では高めに出ることが多いようです。臨床糖尿病支援ネットワーク