ブックタイトル会報2021年6月
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会報2021年6月
第216号令和3年6月発行Page 1読んで単位を獲得しよう“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味ですコロナ禍での栄養相談臨床糖尿病支援ネットワーク[当法人評議員]医療法人社団糖和会近藤医院飯塚理恵[管理栄養士]新型コロナウイルス(COVID-19)が流行してすでに一年以上経過しました。栄養相談の件数は昨年の緊急事態宣言が出された4~5月にはやや減少しましたが、それ以降は特に減少することはなく日々個別の相談を行っています。ただ相談の内容は以前と比べるとかなり変化してきました。働き盛りの40代~50代の方々は、今までなら遅い時間の夕食や仕事で外せない外食や飲酒などでの体重増加、血糖上昇についての話が中心でしたが、現在はテレワークになり間食が増えたことでの血糖コントロールの乱れや、通勤がなくなったことでの活動量の低下、それに伴う筋力低下などが問題になっています。また、今までは帰宅することで一段落つけていましたが、テレワークだと自宅でいつでも仕事ができるようになったために仕事時間にメリハリがなくなり、深夜まで仕事をして生活時間が不規則になる方なども出ています。最近は各々の現在の問題点を拾い出してどう対処するか検討し、食事だけではなく、通勤がなくなった分いかに活動量を増やすか、どうすれば規則的な生活に戻せるかなどを具体的に話し合うことが増えています。高齢者も活動量の低下による筋力の低下がとても心配です。転倒までいかなくても躓きやすくなったとか、よろけてぶつけて怪我をしたなど話される方も増えています。さらに友人と会うこともなく、家族が感染を心配し食材の買い物をしてくるために外出の機会がなくなり、何もしたくないとかやる気が起きなくなったといった訴えが増えたことも心配です。活動量が減りおなかが空かないからと十分な食事をとらない高齢者はエネルギーや栄養素全体が不足し、外食で野菜がかろうじて摂れていた自炊ができない独身者は、外食の機会が減り糖質あるいはたんぱく質に偏ることも増えています。万が一の感染を考えると免疫力や抵抗力を落としたくないので食事の重要性や野菜の大切さをより一層伝えていますし、今まで以上にビタミン類などの詳しい説明やそれに伴う食材の摂り方の説明も行うことが増えました。この状況がいつまで続くのか先が見えないことも患者さんの不安を増強させており、今後はさらに様々な問題点が出てくると考えられます。栄養相談では一人一人の不安や心配事を丁寧に聞き取り、できるだけ患者さんの心の負担にならず、個々の生活状況にあった栄養相談を進めていかなければならないと感じています。私が長年かかわっている「糖尿病食を作って食べて学ぶ会」は昨年度は調理実習の開催を断念し、そのかわりに管理栄養士が調理した食事を提供し、レクチャーと献立説明をする企画に変更して開催をしましたが、今年度は早々に開催の中止が決定しました。参加者の方々から、「また是非開催してほしい」との声をいただいていますので、皆さんと楽しく実習ができる日が一日も早く戻ってきてくれることを切に望んでいます。西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題運動療法の指導について誤っているのはどれか、2つ選べ。(答えは3ページにあります)1.非運動性熱産生(NEAT)は、1日当たりの総エネルギー消費量の0~10%である2.運動の実施頻度は週に3~5回以上行うよう指導する3.糖質・脂質の効率よい燃焼のためには中等度の強度の有酸素運動を20~60分間行うことが一般的には勧められる4.METs×年齢×運動時間(h)の式によって、簡易的に運動のエネルギー消費量が算出される5.安静座位の代謝量が1METである