ブックタイトル会報2022年6月

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会報2022年6月

第228号令和4年6月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です西東京の糖尿病医療連携を支えていただいた先生方からの学び[当法人理事]駒沢女子大学/緑風荘病院西村一弘[管理栄養士]本年は一般社団法人臨床糖尿病支援ネットワークの執行役員の先生方の世代交代が行われ、杏林大学の近藤琢磨代表理事による新しい時代が始まる記念すべき年になると思います。創成期から近年までを支えてくださった多くの偉大な先人からの学びを糧に、さらなる飛躍に期待しています。現在では多職種が協働するチーム医療は当たり前になっていますが、30年以上前に(故)近藤甲斐夫先生や伊藤眞一先生、高村宏先生等を中心にこの地域では、糖尿病医療は医師だけではなく看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療法士等々複数のメディカルスタッフと共に研鑽して、患者様の療養指導を行っていくということが始まりました。その後、前代表理事の貴田岡正史理事長、(故)植木彬夫前副理事長、宮川高一前副理事長、菅野一男前副理事長等によりNPO法人西東京臨床糖尿病研究会を経て、現在の一般社団法人臨床糖尿病支援ネットワークに発展しました。特に昨年末に他界された植木彬夫先生には、たくさんのメディカルスタッフが、直接事業・間接事業のみならず、スポーツや娯楽でもお世話になりました。全ての先生方のお名前をあげられませんが、この地域はご高名な専門医の先生が多く、たくさんの勉強会の開催が頻繁に行われて高度な知識の普及が成され、メディカルスタッフにとっては極めて貴重な地域であることを、誰もが実感していると思います。管理栄養士の(故)高村香代子先生は高村宏先生と共に、管理栄養士がいない診療所等への管理栄養士の紹介事業という画期的な仕組みを構築され、現在も全国の模範となっています。また、堀口ハル子婦長のとことん患者本位の姿勢は現在の西東京糖尿病療養指導の基本にもなっていると思います。本年4月に他界された武居正郎先生も小児期発症の1型糖尿病の患者にとっては、「聖地」と言われる福島県霊山町でのサマーキャンプを長年支え、山梨県でファミリーキャンプも毎年行い、たくさんの患者様とその家族を支えてきました。これら多くの先人が残してくれた「楽しみながら新しいことにどんどん取り組む姿勢」や「どんな時も患者ファーストの姿勢」を継承して、新しい時代を作っていただける先生方と一緒に、私も残り少ない現役生活を患者様のために尽くしていきたいと考えています。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題●次の文章を読んで以下の質問に答えてください。34歳、女性。22歳時に1型糖尿病を発症し強化インスリン療法開始。独学でカーボカウントを取り入れていたがHbA1cは9~10%台で推移。30歳で結婚し、夫の仕事で海外へ移住、3年後に帰国。海外移住中は眼底検査を受けなかった。帰国後すぐに妊娠が判明し血糖コントロールのため妊娠10週で入院。入院後、鉄欠乏性貧血が判明し、鉄剤開始。【身体所見】身長160 cm、体重67kg、非妊娠時65kg、血圧114/84mmHg、脈拍88/分、整。【検査所見(入院翌日)】空腹時血糖値93 mg/dL、食後2時間血糖値175 mg/dL、HbA1c 8.2%、総コレステロール217mg/dL、トリグリセリド140mg/dL、赤血球429×104/μL、Hb 8.9g/dL、尿糖(-)、尿蛋白(+)、尿ケトン体(+)この患者について正しいものはどれか、1つ選べ。1.眼底検査を受けるのは、妊娠中期まで待つべきである2.インスリン需要量は、非妊娠時よりも減る可能性が高い3.胎児奇形の有無が決定されている妊娠週数である4.FreeStyleリブレは保険適用とならない5.貧血改善により、1か月後のHbA1cは現在よりも高くなることが予想される臨床糖尿病支援ネットワーク