ブックタイトル会報2022年8月

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会報2022年8月

Page 2第230号令和4年8月発行第65回日本糖尿病学会年次学術集会令和4年5月12日(木)~14日(土)神戸会場/ライブ配信[当法人会員]日野市立病院江島姿子[薬剤師]第65回日本糖尿病学会年次学術集会が5月12日~14日兵庫県神戸市で開催されました。今回はハイブリッド開催ということで、オンラインと現地での参加が可能となっていました。私はポスター発表の演者として現地で参加しました。当院からは一人での学会参加だったので緊張しましたが、久しぶりに西東京で活躍されている先生方のお顔を直接見ることができ、緊張がほぐれました。さて、今回の私の発表ですが、タイトルは「プラスチックごみへの医療ごみ混入ゼロと針刺し事故ゼロについて」でした。みなさんは日々の療養指導で、針やデバイスの廃棄方法については患者様によくお話をしていると思いますが、患者様が針やデバイスを捨てた後のことについて考えたことはあるでしょうか。お恥ずかしながら私は今回の袋に入れて口を閉じて薬局または病院へ注射器本体(針内臓を含む)発表まで深く考えたことがありませんでした。ですが、今回発表した内容はみなさんと改めて考えていきたいと思う内容だったと思うので、この場をお借りして紹介したいと思います。【学会で報告した内容】●日野市では2020年1月からプラスチック類ごみの分別・収集が実施され、主にプラスチック製容器を回収対象としております。しかし、本来可燃ごみや医療機関で捨てるべき医療ごみの混入が頻発していました。また、ごみの中に鋭利な素材が含まれている医療ごみが混じっていると、手作業となるごみの最終選別において、作業スタッフの事故につながるおそれがあり、実際に、2021年9月に作業スタッフがインスリン用針で手を刺してしまう事故が発生しました。そこで市と連携して現状把握と啓蒙活動を行うことになりました。●まずは現状の把握を行いました。その結果、針をつけたままのインスリンキット製剤やインスリン注射用針が大量に入ったペットボトル、採血用スピッツ、吸入器などがプラスチック類ごみに混入していることが分かりました。●現状把握の結果を踏まえ、市と協議を重ね、医師会・歯科医師会・薬剤師会・柔道整復師会・獣医師会などへは案内を配布し、医療ごみの分別徹底についてお願いしました。また、患者様にはごみの分別の指導を行いました。●啓蒙活動の結果、プラスチック類ごみへの医療ごみの混入数は6割まで減少しました。また、作業スタッフによる針刺し事故は発生していません。●問題点としては、プラマークの表示されている医薬品の容器について、全てプラスチック分別で対応可能か不透明なこと、日野市ほか近隣地域では糖尿病治療薬キット製剤などのプラスチック分別を受け付けていないことが考えられ、今後は日本全域でプラスチック分別に対する医薬品容器の扱いを統一することが望ましいと考えています。発表後にはペットボトルから針が貫通しているものを渡されて医療者がヒヤッとしたこと、こんなに医療ゴミが混入しているのかと驚きの声もいただきました。日野市以外でも困っている方がいることがわかり、啓蒙活動継続の必要性を感じました。改めて今回発表した内容について、みなさんに知っていただくことが重要だと感じました。来年も今年のように日本糖尿病学会年次学術集会がハイブリッドでも対面でも開催できますように願っております。針廃棄専用ボックスに入れて薬局へまたはかたいペットボトルに入れて病院へ(日野市版)チップ袋を二重にして燃えるゴミとして捨てる市区町村によって収集・処理の方法が異なります。2020年11月日野市立病院臨床糖尿病支援ネットワーク