ブックタイトル会報2022年8月
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会報2022年8月
第230号令和4年8月発行Page 3第65回日本糖尿病学会年次学術集会が2022年5月12日~14日にかけて神戸でハイブリッド開催され参加しました。COVID-19の影響で昨年はWeb開催でしたが今年は現地開催も行われwithコロナとしての開催形式に向け少しずつ変化しているように感じました。後日にオンデマンド配信もあり見逃した発表やもう一度聞きたい発表を再度見ることができ学習するにはとても良い環境だと思います。さて、私はシンポジウム「骨格筋・脳機能研究の最新知見~運動療法の新しい展開~」を聴講し興味深いと思った内容をご紹介したいと思います。1つ目は「正常体重代謝的肥満」といい、アジア人は肥満でなくても代謝性疾患になりやすく、太っていないがメタボリックシンドロームのリスクファクターが一つでもあると筋肉の質(インスリン感受性)が低下することやサルコペニアのリスクが高くなります。さらにこの正常体重代謝的肥満のなかで特に「若年の痩せた女性のリスク」についてお話されていました。この若い痩せた女性で耐糖能異常があるとインスリン分泌の低下、インスリン抵抗性が高くなり血中遊離脂肪酸濃度が高い状態であることがわかり、肥満と同じような特徴があります。低体重=代謝機能は問題ないという認識が間違いということを学ぶことができ、理学療法士として耐糖能異常のある痩せた方への運動指導は今後の課題となると思いました。2つ目は「最新型次世代モーションキャプチャーシステムe-skinMEVAを基盤としたライフロギングシステム」といい布に電子基盤が埋め込まれた上下のスパッツで活動量を詳細に評価できるものでした。日常生活での小さな運動など全ての身体活動とその運動負荷を捉えることができ、洗濯可能で普段の服と同じ着心地で着ることができます。現在の身体活動量の測定は万歩計や腕時計型の活動量計で測定するのが一般的ですが座っていても立っていても測定値は同じであり、正確に測定するには呼気ガス分析装置を装着したまま日常生活を送らねばならず非現実的です。この製品は高精度で酸素消費摂取量も推定することができ、運動負荷設定も個別性が一段と高くなり、可視化できることで患者さんのアドヒアランスが向上しやすくなると思います。現在は1着でかなりの高額ということですが将来はコスト的にもかなり抑えられるのではないかとお話されていました。運動療法の新たな1ページが開かれたような気持になり将来的な普及がとても待ち遠しいです。最後にCOVID-19が拡大する以前の学術集会では全国の糖尿病治療に関わる医療従事者が一つの都市に集まり顔を合わせ情報交換・交流を行う良い機会でもありました。会場の活気や街の雰囲気を再度味わいたいと思う今日この頃であります。[当法人会員]大森赤十字病院金井弘徳[理学療法士]読んで単位を獲得しよう答え3,5下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説血糖コントロールは良好と言えず、糖尿病治療上、心理問題に配慮すべき状況である。患者の心理・行動面を的確に把握し、助言を行うためには信頼関係に基づいた円滑なコミュニケーションが不可欠である。まず患者の状況を知り、理解し、医療者に「伝わった」「分かってもらえた」と感じられるよう関わる。1.〇患者の言葉を繰り返すことにより相手を是認できている。2.〇患者の話しを聴くという姿勢をとれている。3.×患者の発言を否定しており、医療者の意見を押しつけてしまっている。4.〇「あなたのことを知りたい」「教えてほしい」という姿勢を表現することができている。5.×共感的態度は良いが、患者の話を引き出せていない。臨床糖尿病支援ネットワーク