ブックタイトル会報2022年9月

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概要

会報2022年9月

第231号令和4年9月発行Page 3今年は現地開催が叶いましたが、フレキシブルな対応により私もオンデマンド配信で視聴させていただきました。「検査の病気」と言われる糖尿病ですが、臨床検査技師が携われる場面の少なさを日々実感しているため、臨床検査技師が今後どのように患者様に貢献できるかという視点で、興味を持った内容について述べさせていただきます。1つ目は「テクノロジーの進化による糖尿病診療の変革」です。埋め込み型CGMや最新型インスリンポンプの概要、ビックデータを用いた早期治療への取り組み、クラウドデータ共有によるリアルタイムでの多職種間アプローチなど、進化するテクノロジーの有用性をお聞きすることができました。検査機器の管理等も臨床検査技師の役割であり、元よりデータ管理や機械操作に慣れている職種ですので、データ解析に関わり医師の負担を減らすことやCGM等の手技指導に積極的に携わることで、より患者様にコミットしていく姿勢を持つことが大切だと感じました。2つ目は「これからの医療に求められるCDEJ像」です。各職種の課題やチーム医療への想いを聞くことができ、どの職種の先生も情報共有やフィードバックによる医療連携を重要視されていることが分かりました。臨床検査技師の重要な指導項目は「患者様の検査値の理解を深めること」であり、そこに注力することが患者様の糖尿病療養の取り組みのきっかけや地盤作りになると考えます。そのためには患者様への分かりやすい説明やスティグマを意識した言い回しを学ぶ必要があり、患者様との関わりが少ない私たちは看護師などから糖尿病教室や指導に関する意見をいただくことも重要だと感じました。COVID-19の流行や業務効率化の観点から在宅ワーク化も進行し、運動不足などの糖尿病リスクは増加し、糖尿病患者様の増加は避けられません。ですが、テクノロジーの発展は遠隔での診察・指導やCGMでのモニタリングを進め、治療の効率化に貢献したり自己中断数の減少につなげたりすることが可能です。これからの遠隔医療を患者様に受け入れてもらうには、モニタリング導入時の丁寧な説明や検査手技の指導、困った際の臨床サポート環境が必要だと考えます。本学会のテーマは「人の集いがつくる明日の糖尿病学」であり、これからの臨床検査技師は積極的に患者指導に携わり、療養指導に興味を持っていただけるよう取り組むべきだと感じました。従来の役割にさらに深く取り組みながら、最新の治療にどう関われるのか、増えていくデータと患者数の増加による医師の負担をどれだけ軽減できるのかという視点を持ち、臨床検査技師の糖尿病チームでの役割を見つめ直す必要があると考えます。多くの貴重な講演を聞くことができ、意欲を向上させることができました。本学会で得た学びを患者様の療養へ取り入れていこうと思います。[当法人会員]武蔵野赤十字病院上條頼偉[臨床検査技師]読んで単位を獲得しよう答え1,5下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説1.〇目標体重の目安は65歳未満:[身長(m)]2×22=1.5×1.5×22=49.5kgとなる。死亡率が最も低いBMIは年齢により異なり、一定の幅があることを考慮する。2.×エネルギー係数は、主婦の場合の身体活動レベルは普通労作程度であり30~35(kcal/kg目標体重)に設定する。3.×炭水化物の割合は総エネルギー摂取量の40~60%にする。4.×腎症第1期(尿アルブミン値30mg/gCr未満、eGFR30以上)であり、たんぱく質摂取量は一般的な糖尿病の食事基準に従って総エネルギー量の20%以下とする。第3期以降より病気に応じたたんぱく質制限を行う。5.〇高血圧症を合併しており、食塩摂取量は6g/日未満とする。臨床糖尿病支援ネットワーク