ブックタイトル会報2023年1月

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概要

会報2023年1月

第235号令和5年1月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です新年によせて[当法人代表理事]杏林大学/近藤医院近藤琢磨[医師]2023年を迎え、皆さまいかがお過ごしでしょうか?長く続くコロナ禍の中、今年はどのような壽になるのか、不安と期待が入り交じっている、というのが正直なところです。しかしながら、我々は着実に新しい世界に順応し、決して暗いだけではない新たな社会の姿を見出してきているようにも感じます。昨年4月に貴田岡正史先生の後を引き継ぎ一般社団法人臨床糖尿病支援ネットワークの代表理事に就任してから早8ヵ月が過ぎました。この間、私個人として様々な経験をしていくなかで、貴田岡先生がいかに重責を感じながら法人を取り仕切り運営されてきたかということを改めて思い知らされました。それと同時に、西東京地域や糖尿病に携わる方々、そして糖尿病の患者さんに対して、我々が果たす役割は決して小さくはないということも実感しました。これからも会員の皆さまお一人お一人と力を合わせて、より活発な活動を展開していきたいと考えています。さて、最近の糖尿病領域での話題で、糖尿病という病名が変わるかも、ということが言われ始めました。実際はだいぶ前から糖尿病の病名変更については、意見が出されていました。一つは、病態を正しく反映していないためで、「糖」が「尿」にでてくる病気という昔の言葉を直訳してこれまで糖尿病という病名が使われてきました。実際には、尿に糖が出てくる前に血液中の糖の値(血糖値)が上昇し糖尿病の状態になることがあるわけで、誤解が生じその対策や治療が遅れるのでは、という意見があります。血圧が高い病気が高血圧症であるならば、糖尿病は本来「高血糖症」と言うべきなのかもしれません。もう一つの理由は、病名に「尿」と入ることで、病気のイメージが何か汚らしいといったマイナスのイメージを抱きやすいと思われているからです。昨今、患者さんのスティグマ(負のレッテル)をどのように排除していくか、そのために我々医療者・介護者自身に何ができ実践していくべきか、という議論の機運が高まっています。今回の病名変更の動きは、どちらかと言えば後者が主な理由となっているようです。「健康な人と変わらない」を「糖尿病のない人と変わらない」に、「血糖コントロール」を「血糖マネジメント」にといった言葉の変更も確かに大切かもしれませんが、我々はこの問題の本質を見失わないようにしていくことが重要ではないでしょうか。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題●次の文章を読んで以下の質問に答えてください。62歳、男性。4年前より会社の健診で高血糖を指摘されていたが、自覚症状がないため放置。今年の健診でも高血糖を認めたことから家族に促されて来院。【検査所見】食後2時間血糖値286mg/dL、HbA1c 8.7%、尿糖(3+)、尿蛋白(±)、尿ケトン体(-)問題この患者に対して行うこととして誤っているのはどれか、1つ選べ。1.家族歴の聴取2.眼底検査3.75gOGTT4.栄養指導5.心電図検査臨床糖尿病支援ネットワーク