ブックタイトル会報2023年2月

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概要

会報2023年2月

第236号令和5年2月発行Page 3第37回日本糖尿病合併症学会令和4年10月21日(金)~22日(土)国立京都国際会館/Web配信[当法人業務執行理事]東京医科大学八王子医療センター松下隆哉[医師]第37回日本糖尿病合併症学会は、2022年10月21日(金)~22日(土)に国立京都国際会館で第28回日本糖尿病眼学会総会と共同で開催されました。新型コロナの影響で2020年は完全オンデマンド、2021年は現地とオンデマンドのハイブリッド開催でしたが、本年は一部オンデマンドもありましたが、ほぼ現地開催されました。今回は、久しぶりに現地で学会に参加してきました。今後は、新型コロナウイルスの感染状況や行動制限の状況をみながら現地開催の学会も増えていくことを感じました。第37回日本糖尿病合併症学会のテーマは「早期発見・早期治療による糖尿病合併症の重症化予防」とされていました。日本糖尿病合併症学会では、一般演題がワークショップというセクションの中で発表されますが、今回も一般演題(ワークショップ)、教育講演に加え、糖尿病合併症の重症化を予防するための診療科や職種を超えた幅広い連携や、合併症の発症素因の解明、早期からの診断・治療技術に関するトピックスなどを交えた特別講演やシンポジウムが企画されていました。特にシンポジウムでは「心腎連関に関する最新の知見」「糖尿病の皮膚疾患・足病変」「糖尿病性神経障害の研究・診療最新知見」「合併症予防を見据えて糖尿病治療薬をどのように使い分けるか?」「サルコペニア・フレイル対策を見据えた糖尿病診療」「糖尿病性腎症研究の最新知見」「わが国における糖尿病合併症に関するエビデンス」「糖尿病および合併症の遺伝素因」のテーマでディスカッションが行われており興味深かったです。特に「合併症予防を見据えて糖尿病治療薬をどのように使い分けるか?」では、糖尿病合併症に効果のある薬剤の使用については本邦でのディスカッションはあまり多くはありません。糖尿病治療は早期発見・早期治療に重点がおかれますが、糖尿病の初期はほとんど症状がなく、健診を受けなければ気づくことはできません。診断が遅れ、治療開始後にも良好な血糖コントロールの維持ができないと合併症が悪化しますが、血糖コントロールでは改善が難しいのが現状です。SGLT2阻害薬やGPP-1受容体作動薬は、動脈硬化性疾患・腎障害には血糖コントロール以上の合併症抑制効果あると考えられています。そのため、本邦でも、糖尿病合併症抑制という視点を糖尿病治療薬の選択にも取り入れていく今回のディスカッションは有用でした。さらに議論が進み、糖尿病患者さんの合併症が抑制され、健康寿命やQOLが改善することを望みます。新型コロナウイルス感染症の蔓延がまだまだ続いています。糖尿病の急性合併症の一つで死因にも関わる感染症の対応が見直されています。当科では、新型コロナウイルスワクチンによる糖尿病ケトアシドーシスを報告させていただきました。インターネット上にも取り上げられていますので、ご興味のある方はご覧ください。(https://medical-tribune.co.jp/news/2022/1129548228/)糖尿病の死因は血管障害からがんや感染症が主となってきており、合併症の発症・進展抑制も、血糖コントロールが主な治療でしたが、治療薬の選択で合併症を抑制できる可能性もでてきています。合併症も様々なものがあり、それぞれを診断・治療していく必要があり、糖尿病合併症にはより焦点が当てられてくるようです。読んで単位を獲得しよう答え3,4下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説1:正本人の注射が困難な場合には、家族の協力を得ることを検討する。2:正認知機能低下が疑われるので、注射手技を確認することは大切である。3:誤インスリン過剰により低血糖になっている可能性があるだけでなく、低血糖によって認知機能が低下している可能性もある。低血糖の有無を確認する必要がある。4:誤インスリン注射は医療行為になるので、介護福祉士は実施不可。ただし、インスリン注射の声かけや見守りを依頼することはある。5:正物忘れ、易怒性がみられることから認知症が疑われるので、認知機能の評価(長谷川式簡易知能評価スケールやMini-Mental State Examination;MMSE等)は重要である。臨床糖尿病支援ネットワーク