ブックタイトル会報2023年4月

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概要

会報2023年4月

第238号令和5年4月発行Page 3第26回日本病態栄養学会年次学術集会令和5年1月13日(金)~15日(日)国立京都国際会館[当法人会員]東京医科大学八王子医療センター古畑英吾[管理栄養士]第26回日本病態栄養学会年次学術集会は、令和5年1月13日?~15日?の3日間、国立京都国際会館で開催されました。第24・25回の共同開催時から始まっている現地開催とオンデマンドのハイブリッドの形式で今回も開催されました。本来であれば現地で参加したいところではありましたが、今回はオンデマンドにて参加しました。テーマは「病態栄養学発展をめざして~おいしく、楽しく、健やかに~!」とされていました。特に昨今の栄養管理については医師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士をはじめ、多種のメディカルスタッフが連携して患者さんに関わっており、患者さんの多様なニーズに対応するためにも、各職種の専門性を磨くことが質の高い栄養管理の担保になるとされています。いくつかのシンポジウムや症例検討セッションは、病態栄養専門医、病態栄養専門管理栄養士、NSTコーディネーター、がん・糖尿病・腎臓病の病態栄養専門管理栄養士、専門病態栄養看護師など個人資格に対する指定講習として認定されていました。さらに肝臓病病態栄養認定専門管理栄養士制度の発足に向けたセッションもありました。糖尿病専門管理栄養士の指定講習でもある、症例検討セッションでは「1型糖尿病の血糖マネージメントに難渋した症例」と「肥満を伴う糖尿病性腎症」の2つがテーマとされており、参加者を巻き込んでの劇場型ディスカッション形式となっていました。医療スタッフと患者役のやり取りについてはオンデマンドでは見ることができなかったため、現地で見たかったなと思えるセッションでした。内容としては1型糖尿病の症例では、生活環境の変化に流されやすく、問題点の移り変わりがあり、その節目で多職種からの多角的なアプローチと患者さんの想いを受け止めることで、患者さんを医療につなぎとめていたことで成果を得られたような症例であり、療養指導の在り方を考えさせてくれる症例でした。2例目の肥満を伴う糖尿病性腎症の症例では、病期の移り変わりでのエネルギー設定の部分が注目されていました。日本腎臓学会では標準体重での設定となっていますが、糖尿病学会では目標体重が用いられています。米国糖尿病学会の診療ガイドラインでは肥満患者では5%の体重減少が推奨されていることなども参考に、今回は目標体重を採用し、エネルギーの設定がされていました。特に段階的な措置の重要性を推していました。必要以上にエネルギーの設定が低くされることも問題点としてあげられていました。エネルギーの不足は高齢者であれば筋量低下の問題につながってしまいます。また、腎機能が低下している際にはむくみがあることもあり、基準とする体重の評価に体水分量の評価も考慮に入れる必要があるとのことでした。また、腎不全の食事コントロールとなると、カリウム摂取の制限とイメージがされやすいですが、心不全患者での検討ではあるのですが、カリウムが4mEq/L未満の場合、全死亡率が上がるという報告があり、画一的にカリウム制限をすることは良くないとされていました。2つの症例を通して現在の見解を再確認することができました。専門性が求められる中で、新しい情報を得る事が視野を広げることを改めて感じました。今学会の経験を日々の業務に生かしていきたいと思います。読んで単位を獲得しよう答え1,3下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説療養行動を始められない・継続できない場合には、「なぜ患者はしようとしないのか」「患者はどうしていきたいのか」をゆっくりと話を聴き、医療者と共に今後の療養の方向性を一緒に考える時間を設ける。患者がどうありたいのかという思いを知ること、思いに近づくことが大切であり、医療者と語り合うこと自体が重要であるため、患者の思いを表出できるような投げかけが必要である。1は励まし、3は共感をしているが、患者の話や思いを聴くという姿勢ではないため、誤った解答となる。臨床糖尿病支援ネットワーク