ブックタイトル会報2023年5月

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会報2023年5月

第239号令和5年5月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です糖尿病診療における内科と眼科の連携ツール読んで単位を獲得しよう[当法人理事]東京医科大学八王子医療センター大野敦[医師]今回m3.com「Doctors LIFESTYLE:大学別リレー/東京医科大学」の企画で取材を受け、改めて自分の医師生活を振り返る機会を得た。その中で1988年から川崎市の総合新川橋病院に3年間赴任した思い出も語ったが、同院はもともと眼科中心の病院で当時は常勤医師19人のうち10人が眼科医で、内科医は私を含めて4人で私以外は50歳代以上のベテランばかり、若手に何でもチャレンジさせてもらえる自由な環境であった。そこで初めて糖尿病外来に携わる一方で、糖尿病における内科と眼科の連携をライフワークに加えていった。1993年に東京医科大学八王子医療センターに赴任し、西東京臨床糖尿病研究会に参加し始めたが、1997年には間接事業の1つであった糖尿病治療多摩懇話会の設立に携わり、糖尿病患者の診療連携をテーマに糖尿病診療の向上を目指し活動を始めた。当初は内科と眼科の連携をメインテーマに掲げ、世話人には眼科医もおられたが、その活動の中で糖尿病患者の診療における内科と眼科の緊密な連携を保つための「糖尿病診療情報提供書」(以下提供書)を作成した。一方で定期フォロー時に欲しい情報が血糖値とHbA1cで十分との眼科医のアンケート結果もあり,再診時は糖尿病手帳をみるだけで提供書の必要性を感じない眼科医も多いと思われる。提供書の情報量の豊富さと糖尿病手帳の情報交換の簡便さを考慮すれば、初診時や病状の変動時には十分に情報交換の可能な提供書を利用すべきであるし、定期フォロー時には両科での使いやすさを考慮した糖尿病手帳の利用が望まれる。しかしながら内科医主導で作られた当時の糖尿病健康手帳は、眼科医の記入できるスペースが狭いため、第3の媒体として「糖尿病眼手帳」が2002年6月に誕生した。これは2001年3月の第7回日本糖尿病眼学会の最終日に開催された教育セミナー「糖尿病網膜症の医療連携―放置中断をなくすために」におけるオーガナイザーと演者たちが、名古屋や東京に事前に集合してセミナーの企画を立てていた際に、学会後に連携に役立つツールを残したいという思いで提案されたものである。一方糖尿病健康手帳は、より連携を強化する目的で2010年8月に「糖尿病連携手帳」に生まれ変わり、第3版では14、15頁に「眼科・歯科」の頁が新設され、時系列で4回分記入できるように改訂された。しかしながら眼手帳には20頁からのお役立ち情報もあり、患者さんに糖尿病眼合併症の状態や治療内容を正しく理解してもらうための十分な情報提供を目指すならば、連携手帳に眼手帳を併用してフォローすべきである。そして提供書と2つの手帳を個々の医療機関の状況に合わせて併用することにより、外来での時間的負担は軽減したうえで、より細やかな連携が可能と思われる。今回提供書の利用を推進するため、当ネットワークの会員を対象に1冊30部定価900円を2冊まで無料配布、3冊目からは1冊500円で販売することになった。残部が無くなり次第終了するが、詳細は以下URLを御覧いただきたい。https://docs.google.com/forms/d/1bzFHDr7UaS1-2OOj3MsNn_ll0iZwjc8RyH0XPeyL0O0/edit西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題●次の文章を読んで以下の質問に答えてください。35歳、女性、システムエンジニア。今年の健診で高血糖と高血圧を指摘され来院。身長155cm、体重84kg。空腹時血糖値216mg/dL、HbA1c 9.8%。生活背景や食習慣の聞き取りでは、「最近仕事を変えてから体重が増えてきた」、「毎晩終電で帰宅し、そこから夕食を摂り、疲れてすぐ寝てしまう生活が続いている」、「夜寝るのが遅いので朝起きられず、また空腹感もないため朝食は摂らない」とのこと。この患者に対する療養指導として正しいのはどれか、2つ選べ。1.朝食を摂りたくなる程度に夕食の量を抑えることができるか聞いてみる2.自炊でカロリーを抑えられるメニューを教える3.コンビニで買えて、カロリーが低めで血糖が上がりにくい食品の選び方を一緒に考える4.遅い夕食は摂らないように指導する5.職業を変更するように指導する臨床糖尿病支援ネットワーク