ブックタイトル会報2023年7月

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概要

会報2023年7月

第241号令和5年7月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です糖尿病診療を通じて学んだこと[当法人評議員]医)誠杏堂熊倉医院熊倉淳[医師]医師になり2年目に八王子医療センターで故植木彬夫先生、大野敦先生の下で糖尿病診療、チーム医療について教えていただきました。回診では薬剤師、栄養士、看護師とともにベッドサイドに行き患者さんの話を聞き、今後の治療の方向性を共有するなどが行われました。その頃は植木隊長がボーリングに嵌まっていたため、医療スタッフ、MRさんたちと夜遅くまで球を投げ続けました。テニスやスキーの合宿もありスタッフとのコミュニケーションについて学びました。8年目は新潟県長岡市の立川綜合病院で一人医長として勤務しました。新潟中越地震の翌年であり、生活が安定せず経済的な理由で治療が続けられない方もいて、治療費について考えるようになりました。外来で食事、運動について聞くと、春には山菜採り、秋にはキノコ採りのために山に行く患者さんが多く、一緒に連れて行ってもらい食べ方を含め教えてもらいました。また長岡中央病院の八幡和明先生に地域における病診連携の重要性を教えていただき、一緒に糖尿病劇場などを行いました。15年目は横浜のHECサイエンスクリニックで平尾紘一先生、調進一郎先生の下で勤務しました。サイエンスクリニックはスタッフに1型糖尿病の方が多くいて、1型糖尿病診療で困ったことがあればスタッフの経験などを聞けてすぐに患者さんに還元でき、1型糖尿病診療について多く学びました。また患者会で旅行する企画も多くありました。お酒も入るので、患者さんも普段の外来では言わないような悩みを打ち明けてくれて、今でいうスティグマについて考えさせられました。“1型糖尿病があり海外旅行は不安だから行けない人を医療者と一緒に海外へ行こう”ツアーでは、ドバイに行かせてもらい観光を楽しみました。時差のある旅行の際インスリンをどのタイミングで打つか、外食の時のインスリンの調整をどうするのかを患者さんとともに考えました。また外来でコントロール良好といつも言っていた方が、低血糖でみるみる具合が悪くなり倒れてしまった時は、低血糖だとわかっていても焦りました。低血糖の危険性について身をもって経験しました。17年目に東村山で開業しました。最近では運動療法で自転車に乗っている方に勧められて自転車を購入しました。アドバイスを受けながら先日は新潟まで自転車で行ってきました。糖尿病診療を通じて患者さんからいろいろ教えてもらい学ぶことができました。糖尿病診療って楽しい!!読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題●次の文章を読んで以下の質問に答えてください。60歳、男性。タクシー運転手。罹病歴15年の2型糖尿病。DPP-4阻害薬が処方されているが内服忘れが多かった。通院も不定期でHbA1c 8%台で推移。ここ数年で足の冷えを自覚することが多くなった。1年前から15分以上歩くと下肢に痛みを感じるようになり、少し休むと治まっていたのが、最近は安静にしていても痛みを感じるようになった。身体所見:身長165cm、体重76kg、血圧146/94mmHg、脈拍76拍/分(整)検査所見:空腹時血糖値176mg/dL、HbA1c 8.3%、総コレステロール210mg/dL、HDLコレステロール34mg/dL、空腹時中性脂肪180mg/dLこの患者に対するアセスメントとして正しいのはどれか、2つ選べ。1.フォンテイン分類Ⅲ度に相当する2.LDLコレステロール値は適正である3.足趾上腕血圧比(TBI)は推奨されない4.水分摂取を控えた方がよい5.下腿-上腕血圧比(ABI)は0.4以下である可能性が高い臨床糖尿病支援ネットワーク