ブックタイトル会報2023年7月

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概要

会報2023年7月

Page 2第241号令和5年7月発行第66回日本糖尿病学会年次学術集会令和5年5月11日(木)~13日(土)城山ホテル鹿児島他[当法人会員]東京医科大学八王子医療センター大友舞[臨床検査技師]第66回日本糖尿病学会年次学術集会が5月11日~5月13日に『糖尿病学維新~つなぐ医療拓く未来~』というテーマでハイブリッド開催されました。鹿児島の会場は3か所に分かれ移動はやや大変でしたが、始めの2日間は天気にも恵まれ海外からの参加者もおり、とても盛り上がっていました。検査に関する発表は決して多くはありませんが、その中で臨床検査技師にできることは何か?を考えながら学会に参加しました。検査の分野ではCGMについての演題が多く?CGM使用による血糖コントロールの改善?CGM使用患者に対する満足度調査?何を基準にCGMを選択しているか等のアンケート調査が印象に残りました。?の血糖コントロールの改善についてはCGMの使用により血糖変動が“見える化”され、患者の療養行動の変化につながると報告されていました。一方でisCGM使用患者において目的なくスキャンする患者の7割以上がTIR70%未達成であったという報告がありました。またCGMを使用していてもスキャン回数が少なかったりSMBGを使用しなくなってしまう患者もいるという問題点が挙げられていました。?の満足度調査では『気軽に血糖測定ができる』というプラス面と『経済的不安』『皮膚トラブル』などのマイナス面がありました。?CGMの選択基準ではスキャン機能の簡便性や精度とアラート機能の有用性がありました。しかし、使用する患者の状況によっては『スキャンできない・アラートの音が困る』などデメリットになってしまうこともあります。共通して感じたことは『ただCGMを使用してもらう』ではなく『どうCGMを使用してもらう』かだと思います。目的を持ってCGMを活用する重要性やCGMの正しい情報を伝えることは検査技師にできることだと思いました。また、なぜ血糖コントロールが上手くいかないのか?患者は今何を不安に思っているのか?一緒に考え寄り添って支援していくことが大事だと感じました。次に興味深かった内容は、口演100/臨床検査3『FreeStyleリブレにおける体温および外気温の影響』です。グルコース溶液にリブレセンサーを浸し恒温槽に入れ恒温槽の温度を変化させたり、リブレセンサーにお水やお湯を入れた袋を接地させ体温や外気温の変化を再現してデータを取集していました。検査技師心をくすぐる内容であり、体温の設定に対して議論になり盛り上がっていました。グルコース濃度の種類を増やして自施設でも試してみたいなと思う口演でした。そして現地参加ならではの企業展示も見学してきました。感じたことは当たり前ですがデジタル化の波がすごい!でした。スマートフォンのアプリを使いCGMとの連携やインスリン記録、服薬記録、食事記録、体重/BMI記録、歩数/運動記録など様々なデータを一括管理できるようになっています。特定のものですがインスリン投与データが自動で送信されたりもします。また医療機関クラウド連携やPDF出力・Excel出力ができるなど医療従事者にとってもありがたい機能が多くありました。医療機関との連携にはセキュリティ面など課題はあると思いますが、記録が簡単で患者自身で振り返ることができるのでモチベーションアップにつながる可能性を感じました。学会に参加し、色々な口演を聴きましたが、相手のことを考え一緒に答えを探す難しさと大切さを感じました。この気持ちを忘れず療養指導に励む!と思った3日間でした。臨床糖尿病支援ネットワーク