ブックタイトル会報2023年7月
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会報2023年7月
Page 4報告第241号令和5年7月発行平成29年度西東京糖尿病療養指導プログラム日時:令平和成529年3月7 4日9(土(日))第11回薬剤師糖尿病指導研究会オンライン場所:駒沢女子大学[当法人監事]かんの内科菅野一男[医師]第11回薬剤師糖尿病指導研究会を3月4日(土)にオンラインで開催しました。今回のテーマは「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」とし、82名の方にご参加いただきました。第一部では「2型糖尿病治療薬の服薬指導について」と題し、北里大学北里研究所病院の井上岳先生にご講演を賜りました。糖尿病薬物治療の考え方について、コントロール目標値は患者さん個人で変化し、高齢者では低血糖のリスクが高まるため下限値が定められており使用する薬剤に注意を払う点、糖尿病学会のrecommendationを中心に各薬剤を処方する際に注意すべき点をお示しいただきました。服薬指導については、糖尿病教室の際に実際に使っておられる資料を用いてご教示いただきました。各薬剤の作用機序やシックデイの対処法を患者さんに理解していただき、医療者と一緒に糖尿病治療を続けたくなるよう工夫に富んだ内容でした。第二部では「糖尿病の薬物療法~知っていきたい基本と最新トピックス~」と題し、東京医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科学分野主任教授の鈴木亮先生にご講演を賜りました。様々な疫学的なデータなどから、本邦における糖尿病患者さんの特徴や糖尿病治療薬の使用実態などをご教示いただきました。高齢者糖尿病患者さんが増加しており、脳・心血管イベント、加齢に伴う体組成の変化や薬物動態と薬力学の変化、高齢者に多い併存疾患とその対策など当地区も直面している高齢患者さんへの治療のヒントが多くあったように感じます。本会のテーマである「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム」のセッションでは、薬剤選択をおこなう4つのStepについて詳細にご説明いただきました。Step2の病態に応じた薬剤選択では薬剤の作用機序を含む製剤特徴をお示しいただき、Step4のAdditional benefitsを考慮すべき併存疾患ではSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬のエビデンスとともになぜ推奨されているか教えていただきました。最後に「糖尿病治療は多職種連携と地域連携が大切」というメッセージもいただき、当会に参加いただいた多くの方にも響いたのではないでしょうか。報告平成29年度西東京糖尿病療養指導プログラム日時:令平和成529年3月7 119日(土日)第51回東糖協多摩ブロック糖尿病教室オンライン場所:駒沢女子大学令和5年3月11日(土)14:00~16:00に「第51回東糖協多摩ブロック糖尿病教室/第27回西東京糖尿病患者会連合特別講演会」が開催されました。新型コロナ感染拡大以降3年ぶりの開催となり、Zoomによる配信のみではございましたが、患者様・ご家族・医療従事者計76名の方にご参加いただきました。ブロック糖尿病教室では「withコロナのおうちごはん」として緑風荘病院管理栄養士藤原恵子先生よりご講演いただきました。必要な栄養を摂り、偏食による低栄養や栄養不足を予防することが感染症の予防となることや、“糖質”を適量摂って楽しく身体を動かす『“適糖”生活』実践のポイントとして糖をゆっくりと消化吸収させることを解説いただきました。パラチノースや乳和食などをじょうずに取り入れ、無理なく楽しく続けることの大切さを共有いたしました。特別講演では杏林大学医学部付属病院糖尿病・内分泌・代謝内科教授安田和基先生より『糖尿病と一病息災』として「糖尿病とは」の解説から、食事療法・運動療法・薬物療法・睡眠についてわかりやすくご講演いただきました。食事療法のパートでは、3つのコツ1「自分の食事を把握する」(自分に適切なカロリー、栄養のバランス)、2「長期戦で考える」(食事時間は規則正しく、どか食いを避ける、よく噛む、食べる順番を考える。これを続けることが必要)3「食を楽しむ」(塩分・アルコール・喫煙には気を付けながら、楽しみましょう)や、つい食べ過ぎてしまうのは理由があり、意志が弱いわけではなく、人間の本能や脳の影響が大きく関与していることなど、考え方の転換や、すぐに取り入れられるコツ等、多くの気づきをいただきました。結びに「一病息災」と考えるコツとして、『糖尿病になっていなかったら「食事を気にしなかった。運動習慣は身につかなかった。健康について考えなかった。定期的な検診も受けなかった。」と前向きにとらえてほしい。糖尿病があるからこそ、健やかな人生を送れる。糖尿病を逆手にとって自分のからだをケアし、自分のことをよく知って、人生を楽しめるようになれば、むしろ「お得」だと考えてもらいたい。医療関係者はそれをお手伝いしていきます。』とのお言葉にて締めていただきました。次回以降も参加者へ良い情報をお届けできる場となるよう工夫を凝らしてまいります。臨床糖尿病支援ネットワーク