ブックタイトル会報2024年1月

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概要

会報2024年1月

第247号令和6年1月発行Page 3第38回日本糖尿病合併症学会令和5年10月20日(金)~21日(土)岡山コンベンションセンター[当法人理事]東京医科大学八王子医療センター大野敦[医師]第38回日本糖尿病合併症学会(四方賢一会長)は、2023年10月20日~21日の日程で、岡山コンベンションセンターを会場に開催されました。2015年11月に第30回日本糖尿病合併症学会と第21回日本糖尿病眼学会総会が名古屋で合同開催されてから両学会の共催が続いておりましたが、今年は8年ぶりに単独開催になりました。ここでは個人的に参加させていただいたプログラムを中心に、報告させていただきます。初日は、9~10時のワークショップ1の血糖管理1の座長を担当させていただきました。発表内容も非常に示唆に富むものばかりでしたが、印象的であったのが4演題の演者には福岡大学の川浪教授と比較的最近八王子地区で開催された講演会で特別講演を担当していただいた倉敷と旭川の基幹病院の部長が入っており、他にもシンポジウムで登壇される方ばかりがそろっていたセッションもありました。合併症学会のワークショップは他学会の一般演題の口演に当たりますが、以前より若手の発表が極端に減った印象を持ちました。これも若手に学会の申込や発表の準備を業務時間外で行わせにくくなっている状況を反映しているのかと思い、来年度から医師の働き方改革が進めば、この傾向はさらに顕著になるのかもしれません。その後は教育講演を聴きましたが、岐阜大学の矢部教授の食事療法のお話では、高齢者のたんぱく質摂取量は腎症レベルとサルコペニア・フレイルリスクとのバランスをとりながら個別に設定することや、ロイシンを多く含むような質を考慮した食事メニューを取り入れることの重要性を改めて学びました。午後の会長講演では、我々も参加したDNETT-Japanの追跡調査の結果、当初の5年間の介入期間よりもその後の5年間の観察期間で集約的治療群における進行した腎症の進展抑制効果が有意であったことより、諦めずに集約的治療を続けたいと思いました。16時からのワークショップ15で、多摩地域の内科医における脂質異常症の検査方針/管理方針に関するアンケート調査の2演題を発表しました。このアンケートには会員の先生方にも数多く御協力いただきましたが、検査方針ではLDL-Cの測定時のFriedewald式の利用者とnon HDL-Cの利用者の割合は専門医が有意に多く、随時採血時の高TG血症の目安を175mg/dL以上とする回答が専門医で多い傾向を認めました。一方管理方針では冠動脈疾患のない糖尿病患者に薬物療法を開始するLDL-C値の目安は専門医の方が有意に低く、TGのみ高値の際の薬物療法の第一選択薬に両群で差を認めました。今後もアンケートを企画している「糖尿病治療多摩懇話会」から情報発信を続けたいと思いますので、アンケートへの御協力を引き続きお願い申し上げます。2日目はモーニングセミナーで鹿児島での糖尿病性腎症重症化予防の取り組みを聴きましたが、連携手帳サイズの重症化予防プログラムノートやSDMカスタマイズド鹿児島の作成など実践的な取り組みが印象に残りました。誌面の制約で2日目の詳細は記載できませんが、ワークショップでも1演題15分かけるため通常の学会よりもゆっくり聴けます。2024年は10月4日~5日につくば国際会議場で開催されます。また昨年札幌で開催されました日本糖尿病眼学会総会は、杏林大学の主催で2024年6月21日~22日に赤坂で開催されます。どちらも比較的近場ですので御参加されることをお勧めします。読んで単位を獲得しよう答え2,4下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説糖尿病のセルフケアを日常生活に取り入れるということは「生活の再構築」であり、患者にとって負担の大きいことである。セルフケア実施において、医療者は患者の個人的な価値観や信念を基本に、患者の選択や決定を尊重する。患者にとって最適な自己決定ができるよう、医学的な判断を十分に説明したうえで、患者にとって何が最善かについてよく話し合うことが重要である。1.〇2.弁当箱を使用し工夫されていることは賞賛すべきであり否定するものではない。但し適正な栄養量を伝える事は必要であり、適正な量について確認しながら弁当箱の大きさや利用法など話し合う。3.〇4.減量した行動については賞賛すべきことであり、現在の減量方法や速度について、本人の思いを聞きながら適正な減量速度についての説明は行い、今後の計画を話し合う。5.〇臨床糖尿病支援ネットワーク