ブックタイトル会報2024年6月

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概要

会報2024年6月

第252号令和6年6月発行Page 1“mano a mano”とはスペイン語で“手から手へ”という意味です小児糖尿病サマーキャンプの再開(つぼみの会)[当法人評議員]緑風荘病院藤原恵子[管理栄養士]日本での小児糖尿病サマーキャンプは、1963年に丸山博先生により千葉県の勝浦海岸で、初めて開催されました。翌年、「つぼみの会」が発足し軽井沢でキャンプが行われ、野辺山、日本平、清里などでも開催されました。1981年からは丸山先生が福島県霊山に療養棟のある専用施設を開設され、充実したキャンプが継続されました。現在は日本各地にキャンプが広がっていますが、病気や治療法に対する正しい理解、同病者の仲間作り、生活の方法を学ぶ場として推奨されています。そのような伝統ある「つぼみの会」の小児糖尿病サマーキャンプに、ボランティアとして2000年に初めて参加をし、2001年からは本研究会の理事である管理栄養士の西村一弘先生(駒沢女子大学)と共に栄養スタッフの責任者として、現在も継続しています。ボランティアスタッフは、キャンプ長(医師)、医療(医師や医学生)、看護(看護師・看護学生)、栄養(管理栄養士・栄養学生)、生活(参加経験のある大学生や社会人のOB・OG、その他大学生や社会人)などで構成され、企業の協力も受けています。私が参加してからのキャンプは福島県霊山で行われており、子供達は大自然の中でキャンプを楽しみました。施設には厨房や食堂もあり、食事、おやつ、遠足用のお弁当、夜勤者の夜食などを、栄養スタッフで調理をし、調理実習(飯盒炊爨)や栄養の授業なども行いました。食事は栄養教育をしながらビュッフェ形式で提供し、一緒に食事をしながら子供達の摂食量を把握して、何かあれば医療や看護のスタッフと連携しました。インスリン製剤の進歩で、カーボカウントを行う子供が増えたので、栄養の授業に組み込み、食事やおやつの糖質量が把握できるようにしました。そのような中、2011年に東日本大震災があり、数年間は山梨県御殿場の施設で行っていましたが、2018年、2019年に福島県霊山でのキャンプが再開できました。しかし、Covid-19が拡大したため、オンラインキャンプでの実施が数年ありました。Covid-19が少し落ち着いた2022年の秋は、代々木公園で日帰り遠足を行い、野外で簡単調理の実演やおやつの提供をして、子供達に喜んでいただきました。その後、福島県霊山の施設は諸事情で閉鎖されましたが、キャンプ再開に向けて検討があり、2023年夏に千葉県鴨川の公共施設でキャンプが再開できました。食事は施設の提供ですが、おやつは栄養スタッフで用意させてもらいました。大半はカーボカウントを行っていたので、施設の食事の炭水化物量を計算し、各自の盛り付け量から糖質量を換算し子供や医師に伝え、子供と医師が相談してインスリン量を決め、下膳時に摂食量を把握する、という流れで行いました。今年の夏は埼玉県の公共施設で開催されることが決まり、会議や下見などの準備が始まっています。これまでに、つぼみの会の小児糖尿病サマーキャンプに関する栄養スタッフでの取り組みついては、日本糖尿病学会、日本病態栄養学会などで、演題発表や論文化などを行い、共同研究を重ねて参りました。子供達の食生活の役に立つような、新しいキャンプでの共同研究も再開する予定です。読んで単位を獲得しよう西東京糖尿病療養指導士(LCDE)は、更新のために5年間において50単位を取得する必要があります。本法人会員は、会報「MANOaMANO」の本問題及び解答を読解された事を自己研修と見做し、1年につき2単位(5年間で10単位)を獲得できます。毎月、自分の知識を見直し、日々の療養指導にお役立てください。(「問題」は、過去のLCDE認定試験に出題されたものより選出、一部改変しております。)問題糖尿病性腎症重症化予防プログラムについて誤っているのはどれか、2つ選べ。1.糖尿病性腎症は、新規透析導入となる原疾患の約4割を占める2.糖尿病性腎症による透析の医療費は高額であり、糖尿病の予防は医療費抑制の観点からも重要である3.専門性を有する地域の基幹病院で重症化予防プログラムを策定する4.透析患者を対象に積極的に介入し、重症化を防ぐこと目的としている5.ハイリスク患者を抽出し、かかりつけ医と連携して専門医が介入することを目的としている臨床糖尿病支援ネットワーク