ブックタイトル会報2024年6月
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会報2024年6月
第252号令和6年6月発行Page 3第58回糖尿病学の進歩令和6年2月16日(金)~17日(土)国立京都国際会館[当法人会員]海老名総合病院藁谷里砂[理学療法士]2024年2月16日(金)~17日(土)に国立京都国際会館にて『第58回糖尿病の進歩学』が開催されました。昨年に続き現地とオンラインのハイブリッド開催となり、私は「京都!!現地で講演を聞きたい」と思い足を運びました。学会の現地参加は5年ぶりであり、現場の雰囲気や緊張感がとても新鮮に感じました。今回は2日間聴講した中で、2日目の産業医科大学病院臨床研究推進センター岡田洋右先生の「糖尿病関連骨粗鬆症up-to-date」聴講内容より情報を提供したいと思います。糖尿病患者では骨折のリスクが高いことは皆さんご存じだと思います。骨密度が低下している1型糖尿病のみならず、骨密度は正常、または糖尿病のない人よりも高いと言われている2型糖尿病においても骨質が低下することにより骨折のリスクが高まります。更に生活習慣病関連骨折のリスクがあるとして、2型糖尿病、慢性腎不全、慢性閉塞性肺疾患は、骨密度の平均値(YAM)が70%以上・80%未満(危険信号・骨量不足)で骨代謝への影響が強いと考えられ、薬物治療を開始する条件に入っている疾患です。またその中でも糖尿病においては、治療薬であるチアゾリジンを使用している患者において、閉経後の女性の骨折が糖尿病のない人よりも多く報告されていることも骨粗鬆症の治療を行う理由の一つである、と言われていました。糖尿病患者は骨折によりquality of lifeの低下や生命予後の悪化があることを考えると、骨粗鬆症は極めて重要な糖尿病の合併症の一つであると考えられます。しかし、骨粗鬆症や骨折というと整形外科の範疇のように考えられますが、岡田先生は日々診て(見て)いる私たち(内科医や看護師、管理栄養士、理学療法士など)やご自身、家族が素早く体の変化に気付き、治療を開始することが重要であるとも言われていました。そこで、骨粗鬆症のチェックを簡単にできる<骨粗鬆症ワンツーチェック>を講演の中で指導していましたので提示したいと思います。骨粗鬆症に限らず、糖尿病患者の合併症は様々であり日頃から患者さんの変化を見逃さずに早期に治療や予防ができるように取り組んでいきたいと思います。12【骨粗鬆症ワンツーチェック】準備壁に踵、お尻、背中をつけて立つチェック1壁に後頭部がつきますか?壁に後頭部がつけられない方は骨粗鬆症による背骨(胸椎)の骨折により背骨が曲がっていることも考えられます。チェック2身長が2cm以上低下?2cm以上の低下は骨粗鬆症の黄色信号です。25歳より比べて4cm以上の低下がみられた方は背骨(椎体)骨折の恐れが2倍以上になることが報告されています。読んで単位を獲得しよう答え3,4下記の解説をよく読みましょう。(問題は1ページにあります。)解説糖尿病性腎症は、わが国の最大の透析導入原因疾患であり、透析導入を抑制するために糖尿病性腎症の重症化を予防することが、重要な課題となっている。1.〇:糖尿病性腎症が占める割合は38.7%(2022年)であり減少傾向にある。2.〇3.×:「専門性を有する地域の基幹病院」が誤り。都道府県レベルで重症化予防プログラムを策定、保険指導を行う。4.×:「透析患者を対象」が誤り。透析導入前の糖尿病性腎症患者について、重症化するリスクの高い者を抽出して介入し、腎不全や人工透析への移行を防止することを目的としている。5.〇:同プログラムでは、医師会、専門医、かかりつけ医、保険者などが役割分担をして、有機的連携体制を構築することを目指している。臨床糖尿病支援ネットワーク